小堺建設
小堺建設
  • HOME
  • 事業内容
  • 施工事例
  • 会社概要
  • コラム
  • 求人情報
  • お問い合わせ
  • コラム

    日本の住宅の平均寿命は30年といわれていますが、欧米各国の家の寿命は日本の倍以上あるそうです。

    日本の家の平均寿命がこんなに短く、欧米の家の寿命は長い理由はなぜでしょうか?

    今回は、世界と日本の住宅の寿命の比較や、家を長く使う欧米の家の考え方などについて紹介します。

    日本の住宅の寿命はなぜ短い?

    日本の家の平均寿命は約30年

    国土交通省の資料では 「日本の滅失住宅の平均築後年数は32. 1年」となっています。滅失住宅とは、無くなった住宅という意味です。

    参考:国土交通省「我が国の住宅ストックをめぐる状況について」(2020年の資料)

    日本の木造住宅の寿命は、約30年ということですね。

    では、なぜ日本の住宅寿命は短いのでしょうか? 

    「住宅の資産価値が20年で0になる」という考え方

    国の不動産査定に対する考えは、「住宅の資産価値が20年で0になる」というものです。これは日本の住宅寿命が短くなってしまう大きな要因です。

    国が定めた固定資産を使える目安である法定耐久年数でも、木造住宅は22年となっています。

    日本の高度成長期、サラリーマンが増加し、住宅ローンも普及したことで、多くの一般市民が住宅を購入するようになりました。

    この時代に、住宅に求められたのは大手ハウスメーカーによる早く、安く、大量につくれる住宅です。家を大量に、リーズナブルな価格で建築するには、どうしても建材一つひとつにお金をかけることが難しくなります。

    また、日本では、国の産業を支えるという考えで新築住宅に補助金や優遇措置を出してきました。

    日本の住宅は、築年数が経過すると住宅の価値は大きく下がってしまい、最終的には土地の価値が残るというものになっています。

    欧米の家の寿命はなぜ長い?


    さて、家の平均寿命を各国で比較すると、イギリス約81年、アメリカ約67年であるのに対して、日本は前述したように、半分以下程度の約32年となっています。

    欧米各国の家の平均寿命について、それぞれ見てみましょう。

    中古に住むのが常識のイギリスの家は80年以上

    イギリスでは、家はできるだけ長く住むものというのが常識とされていて、大抵の人が中古住宅を購入するそうです。

    もしイギリスで家を建てようとする場合、あらかじめ建築計画を役所に提出し、広く地域の人の意見を求めて賛成を得るなど、建築が許可されるまでにさまざまなハードルがあるのも、より中古の家が好まれる理由の一つです。

    年を経て、深みを増していくものを、修理しながら大事に使い続けるのがイギリスの考え方であり、文化です。このような文化があるため、イギリスでは100年以上の家が当たり前になっているのですね。

    リフォームが好まれるアメリカの家は70年以上

    アメリカでは、「DIY(Do It Yourself)」が愛され、手作りで家の修繕や改装をして、住み心地を良くすることを多くの人が実行しています。

    アメリカでは中古であることはあまりマイナスの評価になりません。リフォームにより家の売却価格を維持したり、上昇させたりすることもあります。

    アメリカ人の間では、自分たちの暮らしに合ったものに変えていくことを好み、そのリフォームを趣味として楽しみながら行っています。

    フランスやドイツは60年以上

    フランスやドイツの文化にも家を修繕しながら大切に使う風習があります。

    フランスでは、経年によって自然に劣化した素材によるアンティークな美しさが一つの価値観として愛されています。古い家だからこそ出せる魅力です。

    ドイツでは、「アルトバウ」という「古い建築」を指すドイツ語があります。例えば、ベルリンの不動産などでは19世紀後半から20世紀初頭に建てられた石造りのアパートを「アルトバウ」として紹介しています。そういった古家を好んで住む人々がいるのです。

    欧米ではリフォームにかける割合が日本の倍以上!

    家の平均寿命が長い欧米では、家のリフォームに対して、日本の倍以上の額をかけていることが分かっています。

    住宅投資に占めるリフォームの割合は、2011年のデータで日本が27.9%なのに対して、イギリスは57.3%、フランスは56.4%、ドイツは76.8%となっています。

    参考:国土交通省「第1回 中古住宅の流通促進・活用に関する研究会」(2013年)

    家のリフォームにかける費用の差を見ると、欧米の住宅はメンテナンスやリフォームによって長い平均寿命を保てていることが分かるでしょう。

    住宅は資産という考え方

    きちんとメンテナンスやリフォームがされ、立地もいい住宅は、欧米では新築住宅よりも資産価値が高くなることも多いです。

    住宅を買う際には、新築よりも、長くメンテナンスされてきた住宅のほうが価値があると考えられているのです。築50年を超えるような住宅でも、建物にしっかりと価値がつき、取引されています。

    よって、年数の経った住宅も大事な「資産」として評価され続けます。

    また、欧米ではライフスタイルの変化に合わせ、住み替えも行われています。

    住宅は資産であり、住み替えるときに高く売れたほうがいいので、住宅の価値を保つために常にメンテナンスを続けていくことになります。

    家を長く使う時代へ

    日本でも家を長く使うという考え方が生まれてきており、2009年に『長期優良住宅認定』が施行されました。

    「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づき、「長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅」が長期優良住宅として認定されることになりました。

    基本性能9項目について定められた認定基準をクリアすると、長期優良住宅として認定されます。地震や各種の災害の対策がされ、大切に使い続けることによって100年以上も住み続けられる、それが長期優良住宅の条件です。

    ちなみに、ずっと昔を振り返れば、日本の木造建築は短命というわけではありません。

    1300年を超えるといわれる法隆寺などの伝統的建造物は、しっかりとメンテナンスを続けながら、今でも建存しています。

    長く家を使い続けるためのメンテナンスについて、見直すときが来ているのではないでしょうか。

    おわりに

    欧米の家は日本の家の平均寿命の倍以上あることが分かりました。「手入れをしながら大切に暮らす」―SDGsの時代、そんな欧米のライフスタイルは見習う部分が多いですね。

    もっとメンテナンスとリフォームに目を向けて、ご自分の家を大切に長く使うことを考えていきませんか。

    神奈川県・東京都近郊の方で住宅のメンテナンスやリフォームをお考えの方は、小堺建設までぜひお気軽にご相談ください。