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家は生活の場であると同時に、夏の暑さ、冬の寒さなどから、住む人を守るものでもあります。
そのため、紫外線や風雨にさらされ続けるマイホームは、日々、ダメージを蓄積。内装にもほころびが生じますし、材料や性能はどうしても低下していきます。
大切な我が家ですから、長く快適に暮らしたいもの。そこで必要なのが、「家のメンテナンス」です。
ただ、家屋は一気に劣化するわけではありません。
内装、外装、それぞれのメンテナンス時期は異なりますから、その目安を知って、無理なくリペアしていくのがおすすめです。
新築の時から知っておきたい家屋の「メンテナンス時期」
「形あるものは必ず壊れる」といいますが、家屋も同じで、どんなに大切に丁寧に住んだとしても、ずっと新築のままということはあり得ません。
家を形成する建材や設備には、それぞれに耐用年数が決められており、それを超過すれば劣化し、安全性や快適性が失われることになります。
このような状況を回避するため、定期的な「メンテナンス」が必要になるわけですが、同じような家屋の修繕として、「リフォーム」という方法もあります。
これらは、どこが違うのでしょうか。
一般的に「メンテナンス」とは、家屋の内装や外装、各種設備に傷や破損、不具合が生じたとき、「新築時の状態に戻す」ために必要な修繕を施すことです。
たとえば「壊れたトイレを直す」「外壁を塗装し直す」といった施工や工事が「メンテナンス」に当たります。
一方の「リフォーム」は間取りの変更、設備交換ほか、現在の生活に合わせ、新たに住環境を改善することをいいます。
例としては「子供が増えたので、1つの部屋を人数分に分割する」「小さな部屋を統合して、広いリビングにする」「断熱材を入れる」「増築・減築を行う」などがあります。
戸建てに起こりやすい劣化とメンテナンス時期の目安
<内装>
内装リフォームは、「壁紙・クロス」「フローリング」のほか、「キッチン」「浴室」「トイレ」などの水回りが代表的です。以下に年数の目安や劣化や傷みの代表例を紹介しました。
・壁紙・クロス:5~10年
汚れや黄ばみ、破れ、剥がれなどが目立ってくる
・畳:色があせる、擦り切れるといった場合、
一般的には4〜5年で裏返し、7〜8年程度で表替えを行う
・フローリング:15~20年
傷やへこみが目立つようになる。傷んだ部分の面積が広くなる
・各部屋(リビング、子供部屋、寝室など):15~20年
床や壁に傷などの痛みが生じる。ドアの建てつけ不良が起こる
・キッチン:10~20年
コンロの点火不良や誤作動、給湯器の不具合をはじめ、
機器や設備に故障やトラブルが起こり始める
・浴室(浴槽など):10~15年
給湯器の点火不良、水栓の不具合、パイプのつまり、
換気機器の故障など、設備や機器にトラブルが発生。
浴室内のタイルには、ひびやはがれが生じる
・トイレ:10~20年
便器が破損、またひび割れが生じる。
掃除の際、汚れが取れにくくなる。
他にはタンクの破損、水漏れなど、設備や機器に不具合が出る
・洗面所:10~20年
洗面ボウルや鏡の破損、ひび割れ。
パイプは水漏れなどが起き始める
・窓、サッシ:20~30年
ガラスに割れやヒビが生じる。建てつけ不良が起こる
・玄関:木造は15~20年、金属は20~30年
ドア自体の表面劣化(キズや破損など)、カギが甘くなる、
建てつけが悪くなる
<外装>
外装で生じやすいトラブルと、初めて塗装等でメンテナンスを行う時期の目安を紹介します。
◎外壁
・モルタル、サイディング:15~20年
劣化によってひび割れ、色あせ、チョーキング
(白亜化。外壁や屋根などの塗膜が劣化して粉状になる現象)
などが生じる、目立つようになる。またコケが生えてくる
・窯業系サイディング:5年~10年
モルタルやサイディング同様、チョーキング、コケやカビが発生。
また、ひび割れや反り、コーキングの劣化も起こる
・ALC外壁:10~15年
コケやカビ、チョーキングはもちろん、ひび割れなども起こる
◎屋根
・セメント瓦:10~20年
色が褪せる、コケが発生する。
また瓦が割れるという物理的なトラブルが発生する
・トタン:7〜10年
・ガルバリウム鋼板:10~25年
金属屋根(ガルバリウム、トタンなど)は、塗膜が剥がれ、
錆びが生じる。さらに腐食が起こる
・スレート:8~20年
被膜が劣化して防水性が落ち(水分が溜まる)、藻や苔の発生、
凍害を引き起こす
なお、耐用年数が50~100年の「日本瓦」、40~50年(これ以上の場合も)の「洋瓦(粘土瓦)」では、塗装によるメンテナンスは行いません。
ただし、漆喰や防水紙などの劣化、自然災害による破損などに応じての修繕は必要です。
その目安は、洋瓦(粘土瓦)で15~20年前後、日本瓦は15~30年前後となっています。
内装も外装も、劣化の度合いは立地エリアの気候や周辺の状況、家族構成、使用目的(自宅兼作業場であるかないかなど)といった条件によって変わり、メンテナンスの時期も異なります。
一般的には必要に応じ、5~15年の間で適宜メンテナンスをするのがおすすめです。
一軒家の初めてのメンテナンスにかかる費用の目安

家屋における、初回のメンテナンスには、どの程度の費用がかかるのでしょうか。
これは建材や機器の耐用年数、住む人の使い方などによって違いが生じるため、金額にも幅があります。
ここではおおよそのメンテナンス費用を紹介します。
なお、「外装と内装、どちらを優先したらいいのか?」声を聞きますが、家屋のメンテナンスにおいては、雨や風、外気や天災から家を守ってくれる外壁や屋根がより重要になります。
よって、外装から先にメンテナンスを検討されることをおすすめしています。
外壁はダメージを蓄積しやすので、前述したチョーキング、カビ、錆などが発生していないか、普段からこまめにチェックしておくといいでしょう。
<外装>
◎外壁
・モルタル(塗り替え):50~90万円(20坪)、80~120万円(30坪)
・サイディング(塗り替え):60~80万円+10〜20万円(シール工事)
・ALC外壁(塗装):60〜80万円+30〜80万円(シール工事)
塗料により異なる
◎屋根
・セメント瓦:50~70万円(30坪)
・トタン(塗装):40~80万円(30坪)
防錆処理ができる程度の劣化状態の場合
・ガルバリウム鋼板(塗装):40〜80万円(30坪)
・スレート(塗装):40〜60万円(30坪)
(上葺き:ガルバリウム鋼板):90〜120万円(30坪)
全て延べ床面積
<内装>
・ドア:15万~50万円
・窓:15万~30万円
・壁紙・クロス:4万円〜7万円(6畳)、10万~50万円
・フローリング:部分修理/2万~5万円、張り替え/5万円~25万円
・畳:裏返し/1畳ににつきおよそ3,500~6,000円
・レンジフード交換:5~30万円。
・コンロ交換:費用目安は5~30万円
・キッチン回り(全体):20万~150万円
・トイレ:10万~30万円
・洗面所:10万~30万円
・便器:10万~30万円
・洗面台:10万~30万円
・浴室:パーツや建材/5万~15万円、浴室交換/60万~250万円
家屋の寿命を延ばし、いつまでも快適に暮らすために
どんな家屋にも寿命があります。
たとえば、一戸建て住宅の多くを占める木造住宅は約30年。
鉄骨住宅が約30~50年、共同住宅(マンションなど)に利用される鉄筋コンクリート造住宅で約40~90年とされています。
もし何もしないまま住み続けたとしたら、経年劣化がどんどん進み、寿命をまっとうせずに壊れてしまう可能性も否めません。
逆に定期的なメンテナンスを行えば、40~60年と耐用年数を超えて住むこともできるのです。
それは100年以上、使われている家があることからも明らかだといえるでしょう。
まとめ
マイホームは「一生に一度の大きな買い物」ですから、家屋の寿命を延ばしてくれるメンテナンスで、いつまでも快適な暮らしを送りたいものです。
劣化が進んでしまう前に、早めに外装・内装のメンテナンスを計画して、マイホームを長くいい状態に保ちましょう。
神奈川県・東京都近郊の方でリフォームをお考えの方は、小堺建設までお気軽にご相談ください。